シン・ウルトラマンを公開2日目の土曜日に観てきたわけですが、さすがに土曜日に人気作品ともなると入場率は高く、1席ごとに間を開けた状態で満席といった状況でした。入場10分前に売店で飲み物でもと考えてたらめちゃくちゃ混んでで買えなかったし。
ストーリーはまあ大したネタバレ要素もないのですが、知らない方が楽しめそうなことが多いので触れないようにします。
ウルトラマンは1980年の「ウルトラマン80」から1996年の「ウルトラマンティガ」まで十数年の開きがあり、僕はちょうどウルトラマンの谷間の世代なのですが、平成初期ごろのウルトラマン復刻ブームとその近辺でTBSが怒涛の再放送を繰り返していたことで、初代・セブン・タロウあたりはかなり観ていたんですね。
昭和ライダーがあまり肌に合わなかったのに対して戦隊は割と好きだったのですが、ウルトラマンが最もハマった特撮シリーズといえるかもしれません。怪獣図鑑をはじめとした書籍もお小遣いでかなり買ってましたので。
そんな初代ウルトラマン好きとしては、お馴染みの顔触れがそろった禍威獣・外星人と、完全にスーツ着用のこれじゃない感が強い禍特対がシンゴジラよろしく政治に奔走しつつ、山本耕史がメフィラス星人を名乗って観客をことごとく虜にするという…まあとても楽しめた映画でした。
原作リスペクトを強く感じつつも庵野秀明監督の「いつもの感じ」が強いのですが、トリガーまで続いてきている正統シリーズとの差別化(パチモン感)は意図してやっているのかな?という感じです。そもそも最近のウルトラマンに慣れていると初代・セブンの方が異端に感じるもので、その感覚を再現した感があります。
CGがなかった時代のウルトラマンは「ウルトラマンが飛んでいるポーズ」の人形を吊り下げて撮影していて、手足を伸ばしたまま微動だにしないウルトラマン人形が縦回転でエネルギーを貯めるようなシーンがあるのですが、本作ではそれをわざわざフルCGで再現し「不気味の谷」を感じさせていたのが凄いと思いつつも酷くて笑っちゃいました。
ストーリーは独立しているのでウルトラマンを知らない人でも楽しめるのですが、やはり原作である初代を知っていると多くの小ネタや音楽に反応できて面白さが段違いだと思うんですよね。この内容を公開することを円谷が把握していたのなら、何らかの方法で初代を再放送して多くの人が見られるようにできなかったのかなと悔やまれるところです。
自分が鬼滅ブームのときに怒涛の再放送に助けられたので、余計にそう感じます。