今週はニチアサがないのでZのみですが、Aが出てきたことですし、ウルトラの敵についても書きたいと思います。
ウルトラマンZ「第19話 最後の勇者」
超獣バラバの出現を受け、あのウルトラマンAが救援に登場。オリジナルキャストの高峰圭二さんが声の出演をされていますが、高峰さん=北斗星司は近年も数年おきにウルトラシリーズにご出演だったので登場もスムーズだったのでしょう。
バラバの周囲をカメラが回転して、手前のビル群が高速で通り過ぎていくカメラワークが凄かったですね。あとはビルの内装と外装を映しておいて吹っ飛ばされたZに崩されてしまうという謎カットも。
レジェンドが救援に来る回になると、相対的にZが情けなさを晒してしまうという悪いセオリーが今回も出ていましたね。もう20話に差し掛かるという段階なので、いつまでも発展途上はよろしくないなと。
Zの名付け親がAだという逸話だったり、ゼットが飛び去った後の「Z」の雲に一画添えて「A」を作る、アルファベットのAとZがそろい踏みするなど、なにかとAtoZに掛けたお遊びが見られましたが、Z内でも見ごたえのある一話になっていると思います。
今回はハルキというよりZのお話という感じでしたね。散々それっぽい事を言っていたヘビクラ隊長が、結局「バラバがバラバラに…くく…」というダジャレの為にだけ出てきていたのもオモシロでした。
ヤプールは宿敵キャラの先駆け
Aの宿敵である異次元人ヤプールは、普段は異次元に身を潜め、作り出した超獣を毎週送り込んでくるという、戦隊の敵組織に似た性質のある敵キャラクターです。
それまでのウルトラシリーズには、何度も現れるバルタン星人あたりがライバル的存在とされていましたが、基本的に登場した個体は1~2話で倒されて事件解決するのが常でした。
昭和ウルトラシリーズではこのヤプールと、レオ後半で登場したブラック指令と円盤生物が「毎週出てくる宿敵」のポジションを持っており、ニュージェネ以降は怪獣を(主人公の変身アイテムと似た道具で)操る黒幕キャラが定番化しています。
個人的には昭和の、個別の怪獣や宇宙人が襲い掛かってくる雰囲気が好きであり、得体の知れない恐怖感がありました。黒幕が怪獣を召喚する形式はいまいち緊張感に欠けるのと、生き物としての怪獣のストーリーがおざなりになりがちなもので。
そういった意味では、タイガの「ヴィランギルド」は同盟関係ではあるものの別々の宇宙人の集合であったので好みの設定だったのですが、そこら辺もトレギアのせいでグダグダのまま壊滅してしまいましたね。
Zの宿敵ポジションはセレブロですが、宿主であるカブラギはスタッフロールの中でもレギュラーからは外されていて近年の宿敵ポジションより扱いが小さく、大先輩のジャグラーさんの存在感もあって「毎週は出てこない」という稀有な扱いになっていました。
それによってか、Zは野生動物としての怪獣の生態が扱われていたり、セレブロ以外の宇宙人が単独で悪事をはたらく回なども挟まっていてバランスが良い印象です。まあ、前作のトレギアがあまりにも出張っていた事の反動もあるのかもしれませんが…。