3月初旬に映画を2本観ました。どちらも終了間際のギリギリになってしまい、特にエゴイストはもうちょっと計画的にチケットを用意すれば安かったのに終演日に定価で駆け込んでしまいました。
エゴイスト
ゲイを扱った映画は以前はつぶさにチェックして当ブログでも映画評を書いていたのですが、店を始めたこともありエゴイストは観劇を見送っていました。
知り合いから行くよ!という話を聞いて触発された格好です。
会社員ゲイとウリ専ボーイが出会い、ウリをやめて昼職で働くもうまくいかず、支援する年上彼氏の方も経済的に厳しくなっていく…という流れは男女の恋愛映画ではあまり見られないのでゲイを活かした設定ではあるんでしょうか?
男女であんまり会社員と風俗嬢のガチ恋愛とかやんないですもんね。やるとしてもコメディ調になりそう。
濡れ場は前半に集中していて、鈴木亮平と宮沢氷魚の美しい絡みはいい眺めでした。初回のセックス亮平がウケか!という意外性も。ただ、後半からは親の介護や貧困の話が中心になって社会派みたいになっていくのですが。
構成として途中から「俺は何を見せられてるんだ?」というのもありますし、演出として手ブレが目立つので画面酔いしたという意見も見られました。酔いについては僕は平気でしたが。
亮平がいわゆる「二丁目にどっぷり」タイプかつファッションセンスに長けて仕事にしているというゲイで、まあそういうゲイもいるんで嘘ではないんですけど、ステレオタイプの貧困なゲイのイメージだなと。
また、途中で死があるのですが、ゲイの話って誰か死なないとあかんのか?というのもちょっと不満です。今作では死因が性病ではないのでまだマシですが。
登場人物の情や優しさというのはあるので「愛を描いている!」と言われれば確かにそうなのですが、僕は色々気になってあまり感動しなかったというのが正直な感想です。
ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…
ウルトラマンデッカーの完結編です。テレビシリーズのラストシーンで変身能力を失っているので、主人公カナタは基本的にメカと己の肉体のみで戦う素面アクションが多めでした。
その代わりなのかダイナから光の力を授かっている善良な宇宙人・ウルトラマンディナスが登場するのですが、変身前が心優しい女性かつウルトラマンディナス自身もあんまり強くないので常時ハラハラさせられる感じでしたね。
というわけで、カナタ・リュウモン・イチカ中心の人間ドラマに重点が置かれる感じになっていて、僕は別に良かったんですが、周囲の席の子供達からは飽きてる感じがビンビンに伝わってきました。
今までのあらすじに地味な単発エピソードだったグレゴール人グレースの振り返りをわざわざ入れたのはそういうことなのねとか、最後にディナスまでTPUの仕事仲間になっちゃってるのはアガムスでやり残したことの回収なのかなとか、エモシーンも多々。
また、テレビシリーズでは地球が封鎖状態だったため、いわゆる「侵略宇宙人」が出しづらい(というか出ない)という作劇の制約があったのですが、そのうっ憤を晴らすかのように今回は侵略宇宙人連合が攻めてきましたね。特にゴドラ星人の扱いの悪さはカワイソスでした。
ドラマとして、ウルトラマンデッカーの完結ストーリーとしては悪くなかったのですが、とにかくデッカーが出て来るまでが長過ぎましたね。デッカーの活躍を見たい子供にとっては退屈な映画になってしまったのではないでしょうか。
リバイスも同じ問題を抱えていましたが、今どき後継シリーズへの客演は必ず起こるので、変身能力を失う展開はやめておいた方が良いかと。今作のように作劇上の制約や、復活させる時の説明や言い訳じみたストーリーに尺を取られてしまいます。メタ的には「どうせ後で復活するんでしょ」と冷めて見てしまうというのもあります。
ただ、人間として思い悩むカナタやリュウモンにはキュンキュンしたので僕は楽しめました。
また、たまたま滑り込んだ回が「グリーティング上映」というもので、映画の終了後にデッカーが司会のお姉さんを伴って登場。ポーズ写真のミニ撮影会とお見送りをしてもらえるという大変お得な回でした(料金は通常上映と同額)
あくまで子供が主役のイベントなのでデッカーへの絡みは最小限に留めましたが、TPUの敬礼をしたら返してくれたのはさすがでした!